「あ、奏ちゃん。昨日は奏ちゃんが頑張ってくれたから、今日はあたし達がご飯作ったよ」

久実ちゃんが奏ちゃんを見つけて言った。

「ありがとう。・・・悠里」

「え?」

あたしは振り返る。

さっき、元気な姿はちらりと確認済みではあるけれど。

「おはよ」

奏ちゃんの顔を見ると、ついニッコリしてしまう。

嬉しいのだ。

「おはよ。あのさ」

言いかけて、みんなのほうを振り返る。

「みんなは?指輪は?」