「・・・乱暴だな」

奏はつぶやいて、それから、ハッとしたように、布団の中をあさりだした。

「どうした?」

「ん、これ」

探し当てたらしく、何かをつまみ出す。

赤い、プラスチック製の指輪。

マジックで、悠里の名前が書かれてある。

タクトは無言でそれを眺めていた。

「どういうことだと思う?」

奏が言うと、タクトは驚いた顔をした。

「って、まだわからないのか!?」

「わからないって・・・」

タクトは、深く、長く、息をついた。