タクトは奏を覗き込んだ。

ぐっすり寝てる。

そっと触れると、額は冷たい。

手を滑らせて、首に触れる。

冷たい。

「熱、引いたんだ」

つぶやくと、奏が目をあけた。

「あ、おは・・・」

タクトは、起き上がろうとする奏の額を、ベットに押し付けた。

「慌てなくていい。ゆっくり起きろ」