「俺のことは名前で呼んでくれんの?」 少し意地悪そうな顔でうみの顔を覗き込む真鍋くん。 「え…恥ずかしいもん」 うみの顔は“これでもか”ってくらいに赤い。 「あ…そろそろ時間?」 私は翔太の腕時計に目をやって気づいた。 「あ…行くか」 翔太も椅子から立ち上がって私の手を握った。 まだ慣れてない私は恥ずかしくて体中が熱くなる。 「ほら、行くぞ」 真鍋くんもうみに話しかける。 「あ…うん…空」 消え入りそうな声でうみは真鍋くんの名前を呼んだ。