「おはよう、うみ」 月曜日、教室に行った私は後ろの席のうみに声をかけた。 「おはよう…?」 うみは声の主が誰か分かってなかったみたいで、キョロキョロしてる。 「うみ、私、桜」 うみはやっぱり不思議そうな顔をしている。 「あ、桜…体大丈夫?って…え?」 理解できてないみたい。 「声、出るようになったよ」 「…桜よね?本当に?」 うみは私の顔を食い入るように見ている。