「じゃあ…村田、解いてみろ」 数学の授業中、黒板をまっすぐ見てた私は当てられた。 前に出て、少し考えてチョークを取る。 そしてゆっくり解く。 これが私のスタイル。 …のはずなんだけど。 立ち上がった私は、めまいかな? 体がグラッってなって、床に座り込んだ。 「…桜?」 うみが心配そうに私の顔を覗き込んで、先生が来る。 でも、うみの顔も床も、全てが歪んで見える。 私は気持ち悪くなって目を瞑った。