「実果……」

先生に名前を呼ばれ、無意識に体はびくつくいて

病室の奥にゆっくり進む足は震えていた。

ばあちゃんとの距離30cm。

こんな近くに居るのに……

凄く遠くの存在の様に感じた。

ばあちゃんの手は冷たい。

「実果。辛いと思うが、和恵さん……おばあちゃんの死を、ちゃんと受け入れるんだ」


先生は震える私の肩に優しく触れた