「誰か!誰か!先生を呼んで来て!お願いだから早くっ」

実果が目の前で倒れた。

「実果!実果!」

何度も何度も名前を呼んでも目を覚まさない。

「死んじゃやだよ実果!」

私は泣きながら叫んだ。

抱き寄せた体はぐったりし、驚くほどに軽い身体だった。

「……こんなにやつれて」

涙が溢れて止まらない。

実果のばあちゃんが入院したときも亡くなったときも

そして今も……

私は実果の力になれていただろうか?