「おまえ、、、」

幾晩も幾晩もいつの間にか探していたコギツネだった。

あれから幾時か経っているのにあの晩見たときと変わらぬ姿でちょこんと座っている。
少し違和感を覚えた。


生きているように感じないからだ。

尻尾を見ると、長く白い尻尾が二本緩やかに揺れていた。

あのときは確かに一本だったはず、、、


無邪気に揺らぐ瞳を暫く見つめていた。

死に堕ちて、神に使える狐として生まれ変わったのか。


コギツネが尻尾に目をやって慌てたように一本尻尾を消した。

今更かよ。
「着いてくるなよ。神の使いとか面倒臭いから嫌いなんだよ


目もくれずスタスタと歩く。