月を見上げ、町の明かりを見下ろし、そしてあのコギツネを探す。
暫くそんな日が続いた。

いつしか、町の明かりに自分から踏み込み戒めるかのように人間の女を夢見のうちに殺すようになっていた。

忌々しかった明かりを自ら消すように一人、一人と確実に自分の手に落とした。


あと半分。
手に落とすようになってから三月。

思わぬ来訪者だった。
あの女が俺の前に姿を表してから俺のなにかが変わった。