でもやっぱり
家に帰ってくれば
母の姿はない。
父の姿もない。

私は
『ママがいない』と
泣きだすひなをどうすることもできなくて
そんなひなを見れば見るほど
私の目にも涙が溜まっていった。

それでも私は
一応笑顔だけが
取り柄の元気で明るい女の子だった。


でも夜遅くになっても
母と父は帰ってこない。
ひなはもう泣き寝入りをするのが
普通の事になっていった。

それでも私は
いくら眠くても
いくら疲れてても
ママに逢いたくて
眠くて仕方なくて
今にもつむりそうな目を自分で必死にこじ開けて
母と父を待っていた。