陰陽姫 闇の果てに待つのは…



その日の夜


龍「チッ…結局、今日は神木に会えなかった。」

自室のベッドに横になり天井を睨む。

朝の一件から翠に会えず、結局謝れなかった龍之介。

キィ

拓「龍之介、俺のケータイ知らね?」

ドアを開け顔を覗かしたのは拓海。

龍「知らね。」

拓「だよね~、あーやっぱり学校に忘れたかな?」

上半身を起こしてゴソゴソと探してる拓海を見る龍之介。

龍「明日休みじゃねーか。どうすんだよ。」

拓「んー、取りに行こう♪」

スクッ立ち上がり、制服に着替え始める。


龍「今からか?マズくね?ママ先生、9時以降は外出許さねぇし。」

時刻は夜の10時。どんな理由があろうとママ先生こと希美は夜、出歩くのを禁じている。

拓「ママ先生はもう寝ちゃったよ。ちょっと行ってくる。」

部屋の窓を開けそこから出ようとする拓海。

龍「待て待て、俺も行く。」

そう言って制服に着替え始める。