陰陽姫 闇の果てに待つのは…



翠「これでどうですか?」

コトッとチョークを置き問いかける。

賢「ほぅ…俺の話聞いてなかったくせに、よく解いたな。」

満足そうに笑う阿部先生。

翠「……予習していただけです。」

クルッと回れ右してさっさと席に戻る。

そこでギクリとした。橘君の首を絞めようと手を伸ばす雑鬼がいたのだ。

だが、動揺を表に出さず座り教科書を立てて手元を見えないように印を組む。

翠「(ボソッ)オンソワカカラリンミョウワン。
"滅!"」

前の席の橘君、正確には橘君の右肩に狙いを定め"呪"を送る。

ギャアアア

小さくパチンと音がなり、雑鬼は消滅した。

白【小物だな。殺せはしなかったが、今滅せれなければ橘とか言う小僧は1週間は寝込んでいただろ。】

翠(こんなのもいるとは…白棹、校内を見回ってきて!雑鬼がいたら話聞いて、ここを出ていくように言うとって。)

白【抵抗すれば?】

翠(不本意やが、殺せ。こちらに敵意があると判断する。)

白【了解。】

スッと身体が軽くなる。

別に白棹が重いんじゃない。ただ、白棹が抜けると憑き物がとれたように少し軽いんだ。