翠「にしても、なしてそんなにその女子に会いたいん?」

素朴な疑問をぶつけてみた。

拓「そうだよな。龍之介が女子に会いたいなんて初めてじゃない?」

龍「………してみたいから。」

翠・拓「ん?」

龍「ケンカしてみたいから!」

翠・拓「は?」

ケンカ!?何でやねん!!

龍「あの女、俺を見ても怖くないって言ってた。それにいい眼をしてたんだ。強い奴の眼。
ああゆうのと一度おもいっきりケンカしてみたい」

キラキラした目で力説する伊吹君。ケンカ馬鹿か!?

拓「迷惑じゃない?」

翠「いや、迷惑以外のなにものでもないやろ。」

龍「それだけって訳じゃないけど…」

ポツリと呟く伊吹君。どうゆうことやろ?

ガラガラ

賢「おーし、席に着けー。」

「阿部ちゃん、早くない?」

賢「早くて悪いか?と言っても後1分でチャイムなるがな。」

龍「げっ、こっち阿部ちゃんて事は俺のとこ数学の加藤じゃん!」

伊吹君の嘆きに阿部先生がピクリと眉を上げた。

賢「何だ伊吹。そんなに数学なのが嬉しいのか?なら、加藤先生に伊吹を沢山当ててもらうように言っといてやるぞ。」

龍「いらん!」

阿部先生の申し出にキッパリと否定する伊吹君。

拓「まぁまぁ、龍之介はとりあえず教室に戻りなよ。」

龍「おぉ、じゃあな拓海、地味女。」

拓「か・み・き!」

ぐい~と耳を引っ張って注意している橘君。

気にせんでええのに…