白【それと…あの阿部とかいう男…何やら見覚えがあるのだが…】

ピタッ

翠「ホンマ?どこで見たん?」

手を止め、思わず白棹に詰め寄る。

白【それがわかれば苦労せん。何だ、貴様も気になるのか。】

ニヤリと笑いこちらを見てきた白棹。……何かムカつく。

翠「…………地元で会った事あったり、同業者やったら嫌や思うとっただけやわ。」

フンっとそっぽを向くと、成る程と呟く。

白【まぁ、どちらにせよあちらが何も言うてはこないのであれば、気にするべきではない。思い違いかも知れぬしな。】

翠「うん。」

思い違い…そうであれば良いのだが……