翠「ただーいま。」
カチャとドアを開け暗い部屋に入る。勿論、中には帰りを待っている人などいない。
白【しかし、秋雅も奮発したな。一人立ちのお役目でこのように立派なマンションを借りるなど…】
翠「せやな。別に、寝に帰るくらいやし小汚なくてもえかったのに。」
ポンッ
白【さて、翠。飯は作っておくから風呂にでも入ってこい。】
小気味良い音がした後、半透明に今まで見えていた白棹はしっかりと床に足を付け、実体化した。
宿主である人間と基本離れる事は出来ないが、長い間縛られ続けた白棹は、実体化する術を見付けた。
これは今までの器では見せたことがなかったらしく、私しか知らない。
おまけにちょっと訓練したら半径1kmまで白棹は自由に移動が出来るようになったのだ。


