暖かい光に包まれ目を開ける。
今までは暗く冷たい場所にいつも1人でいた。そして時が来れば、また私は邪神として生を受ける。その繰り返し…
だが、これは
"もう、良いのですよ"
鈴を転がすようた声が聞こえた。
『姫…?』
"もう、解放されたのですよ。"
優しく微笑み、私の手を握ったその人は、あの頃と変わらず美しかった。
『待っていて…下さったのか。私を…』
問うと笑みを深くし、頷いてくれる。
"やっと、逢えましたね。緋月様"
姫の身体を抱き締め、私も頷く。
『待たせて…すまぬ。月白(ツキシロ)』
"参りましょう。共に"
『ああ、共に!』
そのまま光に包まれた。あの日、外道に堕ちたあの日以来の穏やかな眠りにようやく就くことが出来たのだ。


