陰陽姫 闇の果てに待つのは…



翠「…アカン…やっぱり無理やったかな…?」

力無く倒れた翠の肩から止めどなく赤い命の雫が拡がっていった。

拓「翠!!」

思わず駆け寄ろうと身を乗り出す拓海を希美は無言で引き止める。

拓「先生、放して…」

希「いけません!」

ビクン

それは今まで聞いたこと無い程の真剣な声。

希「まだ出てはいけません。結果はまだ解らない。」

希美の気迫に圧され4人は緋月を見守る。

緋【…やはり彼女を選んで良かった。】

胸に手を当て、ソッと目を閉じる。その胸は横一文字に斬られていた。しかし血は流れず、変わりに傷口は光輝いている。

緋【そなたを妻にするのもまた一興かと思うていたが】

振り返り翠を見下ろす緋月の顔は今まで見たこと無いほど優しかった。

緋【礼を言おう。神木の巫女、いや翠よ。これでようやくあの方の】

パアァァァ

緋【姫の元へ逝ける。】

緋月の傷口を中心に光が溢れ中庭が包まれた。堪らず目を瞑る。光がおさまるとそこに緋月の姿はなかった。