長い夢を見ていた。
立派なお屋敷の庭園。そこに人目を忍ぶように寄り添い合う2つの影。
お互いを見詰め、何も言わずとも同じ想いを抱いているのがわかった。
幸せそうだった。幸せになってほしいと願った。
だが…
幸せそうな情景はグニャリと消え、お屋敷は炎に包まれていた。
おびただしい血と人間の死体。それを喰らう餓鬼。
そんな中、"彼"は愛する人を探していた。
沢山の襖を開け放つが求める姿は見付からない。
おまけに妖は増えていき、炎も広がり逃げ場を失いつつある。
だが彼は妖を斬り捨てながら諦めることなく前に進む。
そして見付けた!いつも逢瀬を重ねた広い庭園に力無く横たわる"彼女"を
駆け寄り抱き上げたが、既に彼女は冷たくなってしまっていた。