ガキン!

咄嗟に翠の短刀を掴み受け止め応戦する。

翠「兄様!!」

立ち上がろうとしたが

翠「あっ、ぐ!」

すぐにまた座り込んでしまった。

翠「何で…?何で何で何で何で!!」

何で身体動かないんよ!?
目の前で兄様が戦っているのに何故動かない!?

そうしている間も翠の肌は裂かれ、阿部先生も慣れない武器での戦いのためいくつも傷が出来ていた。

ガキィィン

賢「あっ!」

緋月は真下から刀を薙ぎ、短刀を弾いた。

緋【終わりだ阿部の。】

スッと刀を首に添えて阿部先生を見据える。その目はどこか残念そうだ。

緋【貴様とならもっと楽しめると思っていたが、いい加減飽きた。せめて翠の心を壊すくらいの衝撃を与え死ぬがいい。】

手に力を入れ、そのまま横に刀を薙ぎ払う。

賢「っく!」

堪らず目を閉じた阿部先生に向かい手を伸ばした。

翠「ダメェェェ!!」

パァン

何かが弾けた音が自分の中から聞こえ翠は意識を失った。