翠「出来る出来ないや無い!私は"やる"言うてるんや!」

押し返し、もう一度斬りかかろうとしたが

賢「"カルナイミワヨンショウハタチヤメン"!」

印を組み、呪を唱える声が聞こえる。すると、横から光が溢れ緋月と翠の間を凄いスピードで抜けていった。

緋【おっと。】

翠「ッチィ!」

緋月は飛び退き、翠もまた距離を取った。

緋【ほう、阿部の。貴様もいたのか。】

賢「生憎、お前を追っていたのは俺なんでね。それにソイツは俺の生徒だ。大事な生徒を1人で行かすわけ無いだろう。」

翠が目を向けるとホッとした阿部先生の姿があった。しかし、翠は怒りの感情しかなかった。

翠「何故邪魔するんです!アイツは私が…」

バシン

翠「…ツッ!」

頬に衝撃を感じて驚く。そして、じわじわと熱くなる頬に自分が今、彼に打たれたのだと気付いた。