翠サイド


ガキン!!

金属音が響き、緋月を至近距離から睨む。

緋【ああ、心地好い。そなたを取り巻く怒り、恨み、憎しみ。その全てが我に向けられているのがひしひしと感じ取れる。実に心地好い"気"よ。】

恍惚とする緋月に短刀を握る手に更に力を込める。

翠「貴様はホンマ変態やな。すぐに喋れんようその喉、かっ斬ったるわ!」

そして、鞘の方を緋月の鳩尾に叩き込もうとする。

緋【甘いわ。】

翠「っく!このっ!!」

しかし、緋月はヒョイと交わしてしまい、すぐに刀を振り上げた翠だったが、それさえも交わされる。

緋【その様に短い刀で何が出来よう。
フッ!】

ガキン!

緋月が漆黒の刀を振り下ろしたのを危うく止める。

翠「…っく!」

お、重い…!

緋【ククッ、辛そうだな?さぁ、どうする?神木の巫女よ。我を倒す事は出来るか?】

意地悪く笑い、優しく問う。