期待はしていなかった。だが、1%の可能性でも賭けていたかった。

翠「…そうか…ほな、もう一つ答えろ。」

俯き、静かに言う。

翠「何故あの日、私を殺さんかった?私の両親を殺したのやって、貴様にとっては暇潰しにも等しかったやろ。
あれか?小娘1人、殺すほどの価値も無い言うことか?」

すると、顎を撫で考えるように首を傾ける。

緋【…あの日、そなたを見掛けたとき興味が湧いた。幼いながらも内に秘めた力はどれ程のものか。
事実、両親を失ったそなたは我に一太刀入れた。阿部のが邪魔しなければ我も本気を出しかねなかったな。】

そう言って、左肩から右脇腹にかけ愛しそうに撫でる。

緋【幼いながらもこの力ならば成長を遂げたそなたの力はどれ程のものか。そう思い殺さなかった。】

翠「…私に興味が湧いたから、両親を殺したのか。私の力がどれ程成長するのか知りたいから…生かしたのか!!」

思わず叫ぶ翠。冷静に務めようとしたが、感情が高ぶりつつある。
いけないとわかっているが、抑えきれない。

緋【事実この15年、我を恨み、修行したのではないか?】

ブチッ

翠「緋月!!」

何かが切れ翠は緋月に突っ込んで行った。