賢「……これは、奴にやられたのか。」
コクン
無言で頷くと腕に力が入っていた。
賢「何を言われた?何をされた?」
真剣に問われながらも降ろしてくれた。
翠「…別に何も…あ、嘘ですゴメンナサイ。
えぇと、妻に迎えると。胸を鷲掴みにされたくらいで…」
"誤魔化すな"と目が語っていた。逆らうと後が何か怖いので正直に答えると、眉間に皺が寄ってしまった。
賢「一先ず、コレでも着ていろ。」
差し出したのはいつも阿部先生が着ているYシャツ。
ありがたく受け取り着ると、ブカブカでスカートまで隠れるほどデカかった。
拓「阿部ちゃん、アイツ何者?俺の姿していたんだけど…」
白【奴は答えなかったが、アレは貴様が追っていた妖か?】
蓮「僕も妖を退治した事あるけど、あんなに強い邪気は初めてだよ。アイツ相当強いよね?」
矢継ぎ早に質問されため息を吐いてしまった。