?サイド

?【召喚術か。奴め、余程あの娘が大切と見える。】

偽拓海の姿が黒く染まり、本来の姿に戻る。

髪は拓海の茶髪ではなく漆黒で長く美しい。

眼も切れ長で鼻は高く形の良い唇が妖しく笑う。

一見して物凄く美形だ。だが、完璧過ぎる為、冷たい印象がある。

服装はまるで武将のように上質な着物を身に纏い、腰には刀身まで漆黒の刀を下げていた。

?【まぁ良い。今宵は満月。我の力は増し、今宵、封印は解かれよう。その時、翠を…神木の巫女を我が物に!】

手を突きだし、そのまま何もないところに手を降り下ろす。

グワッ

すると、そこに先程翠達が呑み込まれたような空間が現れた。
否、それ以上の暗い空間。