?【だと言うに、翠よ。貴様は今日二度も死にかけたな。人間に対し少々感情をコントロールしなければ早死にするぞ。】

翠「仕方ないやん、アンタと一緒で嫌いなんやもん。けどアンタに言われるとはな。白棹(ハクタク)」

白【………】

彼は白棹。135年前、当時の神木家の御当主がある妖怪退治を受け沢山のお弟子さんを連れ依頼人のお屋敷に向かったそうだ。

その晩、現れた妖怪の名は"白棹"。森羅万象を操る妖で戦いは七日七晩続いた。

壮絶な戦いで沢山のお弟子さんは命を落とした。
そして、神木家の御当主が危うく喰われかけたその時、お弟子さんの中で一際霊力の強い娘がいたそうだ。

娘は喰われそうな御当主を護ろうと、白棹をその身に封印した。

しかし白棹の力は強く人間がそう簡単に抑えられるものではない。
封印され怒り狂った白棹は娘の身体を乗っ取り、大暴れしたらしい。

だが、彼女もまたそれを許さず、自らに呪いをかけた。

それは己の命を削るもの。白棹が人を憎み、傷付けようとしたり、宿主である者が人に仇為すものとなれば、全身に激痛が走り命を削る。