翠「いいんです。これは…持病…クッ!」
ガタンと机にぶつかり、うずくまる。
拓「神木!!」
賢「持病ってレベルじゃないだろ!おい、神木!」
橘君や阿部先生が心配しているのはわかる。しかし、意識を失いかけているのか、それがひどく遠く感じた。
翠(大丈夫…私は彼らに敵意は無い!私の存在意義は彼らを護ること!わかって…いるから!!)
心の中で叫ぶと先程同様、スッと痛みが消えた。
翠「…ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…もう…大丈夫です…」
スッと立ち上がり、手を振る。
賢「…大丈夫…なんだな?」
念を押すように聞いてくる阿部先生。
翠「大丈夫です。すみません、続けて下さい。」
ガタッと席について促すとハァとため息を吐いて阿部先生は他の生徒を指名して自己紹介をさせていた。
そっと左胸を撫でる。
アレだけで反応するのか。気ぃつけんとアカンな。
そんな私を心配そうに見つめる視線にこの時は気付かなかった。
私は、自分で思っていたより愛されていたようだ。