陰陽姫 闇の果てに待つのは…



翠「……友達…ねぇ…」

ポツリと呟き目を閉じる翠。

翠「私の邪魔をしなければ後輩、同級生としての友達ならええよ。」

龍「それって…」

龍之介の呟きにビシッと指をさし

翠「金輪際、お役目について話さないこと。まだ終わってないんや。ここで帰される訳にいかんのよ。」

そう言ってフッと優しい目になり

翠「けど、お役目じゃない時はただの『神木 翠』やねん。ただの私じゃあ、嫌か?」

問いかけにブルブルと首を振る4人に翠は笑いかける。それは白棹を宿してから初めて他人に見せた翠の笑顔であった。

翠「ほな、よろしゅう…」

グラッ

白【! 危ない!!】

ドサッ

頭を下げた翠はそのまま前のめりになり、危うく床に激突しそうなところで白棹に支えられた。

拓「神木!?」

龍「おい!?」

飛「神木さん!?」

蓮「翠ちゃん!?どうしたの!?」

慌てて近寄るが、翠が返事を返すことはなく、荒い息をするだけ。

白【ふむ、熱が上がっておるな。誰か濡れたタオルを。】

翠の額に手を当て素早く抱き上げる白棹。

バタバタと急いでタオルと氷水を用意して翠の元に急ぐ4人。