陰陽姫 闇の果てに待つのは…




翠の傷は血でわからなかったが、まるで獣の爪跡のように切り裂かれていた。

龍「……酷いな。」

まるで自分が怪我をしたかのように顔を歪める龍之介。

翠「あまり見ない方がええよ。見慣れないもんはなかなか頭から離れんさかい。」

クスッと笑い、4人の視界から傷を隠す翠。

飛「私達の事は気にせず、早く治療を。その方が気にならないから。」

蓮「うん、僕らは気にしなくていいよ。」

拓「神木、痛い?痛いよね?大丈夫!?」

白【貴様ら邪魔だ!後ろに下がっておれ!】

わらわらと翠を囲む4人に白棹が一喝した。

翠「私はもう平気やから、皆はもう帰ったらええ。」

しかし誰も動かない。帰る気は無いようだ。