陰陽姫 闇の果てに待つのは…



白【簡単なお役目でな。翠の両親は修行だと翠も連れて行ったらしいが、いきなり現れた強い妖に殺されたと聞いた。優秀な2人でな、慕う者も多くそんな2人を一気に失った。たった小娘1人護ろうとして…】

一族の中ではそう考える輩が多くいた。おまけに白棹を宿したことで更に嫌悪、憎悪の対象にされてしまっていたのだ。

白【歴代の器で翠の扱いが一番酷い。しかし、呪いのせいで人を憎む事は許されず自分を忌み嫌う者達の為に力を使うのだ。
あの呪いは器が人を裏切らないように刻まれている。】

絶句。その一言が見事当てはまる程、4人は言葉を失う。

飛「では、彼女があまり人と関わらないのは…」

白【関わったところで結果はいつも同じ。裏切り、蔑まれ傷つけられてきたのだ。
ああ、伊吹の小僧。アレはもう気にしてはおらぬが、我はまだ許しておらぬ。何も知らぬと好き勝手言ってくれよって。】

そう言って龍之介を睨み付ける白棹。

龍之介はバツが悪そうに視線を逸らす。