陰陽姫 闇の果てに待つのは…



白【我は森羅万象を操る妖。135年前、神木の人間に封じ込められた妖よ。】

白棹は封印の経緯、呪いの件を話した。

白【そして、その呪いは今の器である翠の胸にも刻まれている。】

飛「しかし、何故今も呪いが必要なんだ?私が見た限り、貴方に人を襲う意志は無いだろ?」

飛鳥の疑問はもっともだ。長い間、神木に縛られ続けた白棹はもう諦めている。

白【…我を宿す事でその人間の周りは180°変わる。人は異端の者を蔑み、忌み嫌うのだ。

想像してみるがよい、人には成し得ぬ力を手に入れた人間が明日には自分達に牙を向くやも知れぬ。恐ろしかろう?】

想像してみるが、そんな事は漫画や映画の話であって、イマイチ現実味が無い。

白【ふむ、わからぬか。しかしそれも仕方ない…実際に体験しない限り、こうゆう事はわからん。】

フーッと息を吐き、首を振る。

白【この呪いは人間に対し嫌悪、憎悪など負の感情を持つと発動する。橘の小僧、覚えがあろう?】

拓「あ、入学式!」

白棹の問いかけにすぐさま入学式の事を思い出す。

確かにあの時の翠は胸を押さえ苦しそうだった。