陰陽姫 闇の果てに待つのは…



翠「平気…それより余り触らんといて。私の血も今は毒に侵されて危ないんや。」

翠の右腕には大きめなハンカチを使い、止血している。

蓮「でも傷の手当てをしないと」

白【知識の無いものが無闇に処置するでない。まず毒を抜かねばずっと苦しいままなのだ。】

キッチンから戻ってきた白棹の手には一升瓶が握られていた。

飛「それは?」

翠「神木の所有する山に湧く酒。私達は『龍神酒』と呼んでいる。」

翠は『龍神酒』を受け取りながら説明する。そして、蓋を開け一気に呑む。

翠「…ン…プハッ…ケホ…相変わらずどぎついわ。」

拓「怪我してんのに酒呑んでいいのか?」

白【ただの酒を呑ますわけなかろう。『龍神酒』には浄化作用がある。これで身体に入った毒を浄化している。】

白棹は翠の額に自分の額を当て目を閉じる。