奈の体調を気遣っての最初の訪問目的を忘れて、麻衣におもねるように言っ
た。すると麻衣は、初めて聞いたかのように驚いた様子で言った。
「まあ、そうだったの。麗奈には誰とでも同じように仲良くするように言って
あるのに、困った子ね。ごめんなさいね。後でよく言い聞かせておくわ。で
も、麗奈は彩乃ちゃんのことが大好きなはずよ。だって彩乃ちゃん、純粋でシ
ャイなところが、子供らしくてとっても魅力的なんですもの」
「そう言ってもらえて、本当に有難いです」
麻衣の思いやりと誠意に満ちた言葉に、嬉しくなった美樹は、手を合わせて
感謝していると、子供部屋から麗奈と彩乃が出てきた。麻衣は、麗奈を手招き
して呼んで言った。
「あなたは、彩乃ちゃんと親友なのよね? クラス中で一番好きなんでしょう」
「はい」
「それなら、これからもずっと仲良くするの
