迎え出た麻衣は、まるで絵本から出てきたニンフのようで、一瞬、美樹はまぶ
しそうに目を瞬かせた。
「彩乃が、最近ずっと学校で麗奈ちゃんが元気がないっていうから、心配でた
まらなくなって。いきなりごめんなさい。麗奈ちゃん、どんな具合なんです
か?」
美樹は、直美のいったことを、そのまま自分に置き換えて話した。
「まあ、それで心配してわざわざ来てくれたの。どうも有難う。でも、大丈
夫。麗奈はこの通り元気よ。ちょっと、疲れてただけだと思うの。麗奈、彩乃
ちゃんが来てくれてるわよ。一緒に遊びなさいな」
呼ばれて自室から出てきた麗奈は、多少青白く見えたが、柔らかく微笑んだ
表情に、特に変わったところは見られなかった。麻衣によく似た愁いを帯びた
瞳は冴え冴えとしていて、相変わらず大人びた魅力を漂わせている。
「彩乃ちゃん、いらっしゃい。こっちで遊ぼ
