す、お母さん。彩乃ちゃん、こっちに来て、上手な発音を聞かせて」
麗奈に言われて、いそいそと二人の前で英語のスペルを発音する彩乃を見
て、美樹はほっとすると同時に、公平でしつけの行き届いた麻衣の教育方針に
感心した。彩乃の話によると、ここ最近、学校の中でも、麗奈は早紀とばかり
行動を共にしてたらしいが、これからは彩乃とも親しくしてくれるだろう。
久しぶりに満たされた気持ちになった美樹は、自然と口元をほころばせなが
ら、彩乃と共に麻衣の家を出て自宅に向かっていると、この前のように、直美
に呼び止められた。
「美樹さん。彩乃ちゃん、これから見込みあるって誉められて良かったな。奥
手だったってわけや。一安心やな」
自分の子が少し頭がいいからと、上から目線的な直美の言い方にむっとした
美樹は、固い表情でつっけんどんに言った。
「別になにも、私は心配してなかったですか
