今日はとうとう、あの夜パパから盗み出したお金で散在してやった。久し
ぶりに気が晴れた。なんともいえない高揚感に浸りながら、鼻歌まじりに晩
御飯の支度をしていると、パパが帰って来た。いそいそとお皿を並べるあた
しの顔を、パパは驚いたように見つめながら言った。
「今日はえらくご機嫌だけど、何かあったのか?」
「ううん、別になにも」
「そうか、いい匂いだな。早く食事にしてくれ」
その時、シチューを温め直しているあたしの後ろから、亜弓の素っ頓狂な
声が聞こえてきた。
「キャ~、この袋のブランド、あたし知ってる~。めっちゃ高いんだよね」
家に帰ってからとても忙しくてバタバタしてたから、つい買ったお洋服を
袋に入れたまま、リビングに置きっぱなしにしてたのはま
