3つのナイトメアー



物を楽しんでいる姿は、更に謎めいて魅力的に見えた。悩んだ挙句、ようや


く一着のワンピースを選びだした麻衣が、キャッシュで支払いをしている。


その豪華なパーティー用の一着は、美樹の予想を超えた額らしく、かなり厚


めの札束が目に入った。


「本日は有難うございます、浅見様。また、お葉書差し上げますわね」


 店を後にした麻衣と美樹に向かって、山根というファッションアドバイザ


ーが、店の出入り口のところで、ずっと腰を折ったままおじぎをしている。


その丁重さに気遅れしている美樹に比べて、麻衣はさりげなくも颯爽として


いて、いかにも物慣れた様子である。


「麻衣さん、さすがはシャンネルですね。お店の人といい、雰囲気からして


全然違いますね。よく来られるんでしょう?」


「いいえ、ここ最近はご無沙汰しているの。だから、今日は思い切って買っ


ちゃった。こんな派手な服、いつ着るのかしらね。全くの