早速ソファーをすすめ、他の店員によく冷えたオリジナルの飲み物を運んで
来させた。次々とアドバイザーがすすめる洋服を優雅な身のこなしで選んで
いる麻衣を眺めながら、ふかふかとしたソファーで、珍しく美味なお茶を楽
しむ美樹は、おこぼれでも十分にセレブ気分を味わうことができた。二人の
会話から漏れてくる洋服の値段は、やはり美樹からみたら別世界で、麻衣は
やはりお金持ちなんだなと、しみじみ感じた。本来なら反発をかうところだ
が、偉そうぶらない優しくて品のいい普段の麻衣を知っているから、好意的
にしか見られない。それより、洗練された店員にかしずかれながら、背筋を
ぴんと伸ばして鏡の前に立つ麻衣は、実に堂々としていて威厳があり、セレ
ブリティーが醸し出すきらびやかなオーラを放っている。こんな水を得た魚
のように生き生きした麻衣を見るのは初めてで、自宅に呼ばれた時の控え目
で慎ましい様子から一転して、天真爛漫にひたすら買い
