病院に搬送された。
「犯人は、前回と同様の手口で家に侵入して、今度は不幸にも鉢合わせした二
人に顔を見られたことに動揺し、ダイニングから包丁を取り出して刺した後、
逃亡したんだろうな。外部の怪しげな人物を徹底的に洗うんだ!」
石井が命令すると、さっきまでいたはずの山本の姿が見えない。山本は、い
つのまにか二階の篤の部屋で、篤専用のパソコン画面に見入っていた。石井
は、苛々しながら声をかけた。
「おい、何をやってるんだ。早く行くぞ」
山本は、これまで見せたことのない真剣な表情で、石井を真正面から見つめ
ながら言った。
「石井さん、どう考えても腑に落ちません。犯人は、外部の人間とは限らない
