穴が空いた。子供の篤は、深く傷ついた心を癒す術が分からなかった。親の愛
に飢え、ひたすら潤いを求めた心は、次第に屈折してゆき、皮肉にも以前あれ
ほど嫌っていたいじめにたどり着いた。敬える親から、たっぶりの愛情を注が
れているあきらのことが、羨ましく妬ましかった。あきらに、少しでも自分の
辛い気持を味あわせてやりたかった。その結果、唯一の友達だったあきらを死
に追いやってしまったことがショックで、その心の闇から抜け出せず、あれか
ら何年間も引き籠ったままだ。それなのに、元凶である小雪が反省もせず、今
だ、のうのうと優雅に自分の快楽に耽っているのが許せない。
篤は、ノートパソコンを開き、自分のブログに書き込みを始めた。
「同居している母親が、四十歳をとう
