らも仲良くしていこうな」
「ええ」
美樹は、親しげに背中をたたいてくる直美に仕方なく返事をした。やは
り、自分とは人種が違う。好意を持てそうもない。そんな美樹の気持ちには
お構いなく、いきなり直美は、自分の身の上話を始めた。
「うちは、大阪でも日雇い労働者なんかがたむろするドヤ街に育ってな。親
父はアル中で散々暴れたあげく、肝硬変で死んだ。うちには、十歳年の離れ
た妹がおったんやけど、母娘三人食べていくのがカツカツやった。そやか
ら、うちは高校を卒業するなり、単身で上京してバイトしながら専門学校に
通った。実質、母ちゃんと妹を見捨てたってことや。その妹も、水難事故で
死んでしもた。もう、ずっと昔のことやけどな」
遠い目をしながら感傷に浸っている直美を見ながら、美樹は、なにやら薄
ら寒い気持ちにとらわれて、ぶるっと身震いした。親しい間柄でもないの
に、不幸続きの重い過去を打
