地上最低の女よ。ふん、大分傷ついたようね。でも、まだまだ足りないわ。こ
こからが本番なんだから。あんたは、私と違ってずっと幸運がついて回った。
質のいい学校も結婚も、回りの力を借りて易々と手に入れてきた。そして飽き
たら簡単に捨てて、又別の物を求める、貪欲で謙虚さの欠片もない女よ。一
体、冬彦さんのどこが気に入らないの? あんたなんかに勿体ない良い旦那さ
まだわ。なのに、ころっと圭に乗り換えて、飽きたら圭もポイってわけね。こ
の尻軽女!」
「それだけは違うわ。圭くんとのことは、本気だったのよ」
「ホホホホ、ねえ、圭のどこがお気に召したのかしら? 貴之伯父さんに似
た、女好きする顔? セクシーな体? 思わせぶりな物憂いしぐさ? 女に対
して積極的なのに、優柔不断で肝心なところで逃げちゃう、気が弱くて小ずる
いところ? ねえ~、教えてよ」
「華ちゃん、なにが言いたいの?」
