3つのナイトメアー



自分のことを気に入ったと直感した。恭子は、結婚して田舎に住んだり、生活


レベルを下げるのだけは絶対嫌だった。彼なら、きっと自分の望む優雅な専業


主婦のライフスタイルを叶えてくれる。安定した結婚生活に、恋愛のときめき


はいらない。後は恭子の気持ち次第だった。



 そうして、恭子は、彼、山本冬彦との結婚を決めた。華代もその少し前に結


婚していた。結婚式には出席しなかったが、後から写真入りの葉書が送られて


きた。相手は、智伯父と同じ銀行員だそうで、神経質そうな表情の裏に、抜け


目のないしたたかさがうかがえて、あまり良い印象を受けなかった。ずっと華


代が語っていた理想のタイプとはあまりにかけ離れている。多分、ワンマンな


智伯父が、娘の気持ちなどお構いなしに、強制的に縁談を進めたのだろう。


散々遊んだ後ならまだしも、まじめに過ごして清らかな体のまま、この程度の


男としか結ばれなかった華代を、心底不