ってことは有り得る。だから、今のうちに亜弓の将来のために出来るだけお
金を残しておいてやりたいんだ。今までみたいに、欲しい物を手当たり次第
に買うことは控えて欲しい。パパも、これまで以上に一所懸命働いてお前達
の生活を守るようにするから、お前にも協力してほしいんだよ」
あたしは、頭に血が上ったわ。亜弓のために、ずっと憧れてきてやっと手
に入れた贅沢を我慢するなんて嫌だ。これじゃ、なんのために、こんなあま
り格好のよくないパパに連いて東京まで出てきたか分からない。全部、亜弓
のせいだ。あたしは、亜弓が憎い、憎い、憎い! その気持ちは、日々追う
ごとに増幅されていったわ。
その日、浅見麻衣の自宅に招かれた安達美樹は、寝室のドレッサーに向か
い、着ていく洋服の最終チェックをしていた。この前に買
