恭子に尋ねた。
「これは、可愛らしいお嬢ちゃん、頼みごとはなにかな? 一度だけ叶えてあ
げられるよ」
恭子は思った。あんな自分勝手な願いごとをした自分に、神様は腹を立てた
んだ。だからって、こんな田舎のどうしようもない最低の不良に辱められるな
んて絶対嫌だ。
「神様、これからは人を見下したり意地悪を言ったりしません。だから、どう
か祠でお祈りする前に時間を戻してください」
気がついたら恭子は布団の中にいた。隣では相変わらず華代がすやすやと安
らかな寝息を立てていた。あれは夢の中の出来事だったのか? それにして
は、体中がじっとりと汗ばんだ感触がリアルで気持ち悪い。恭子は風呂場に行
き、桶で水をくんで頭からかけながら、畜生、畜生と、何度もつぶやいた。冷
たい水が、心の中のわだかまりまで消し去っていくように染みわたって、恭子
は頭を大きく
