苺恋唄-イチゴコイウタ-




「まぁ教師としてはあんまり、サボりを勧めるわけにはいかないけどな…」



先生は苦笑いしたけど



「じゃあ、本題な」



って言った時には先生の目付きが変わってた。



「今噂になってる見合いっていうのは、お祖父さんが勝手に決めた事なんだ。今も現役で会社経営してて、俺が出ないのはマズいってわかってるけど、この件に関しては流石に俺の親も猛反対してくれたよ。彼女いるって知らないけどな」



そう言って先生は私の頭に右手を置いた。



「那智に言わなかったのは、余計な心配かけたくなかったから。でも逆効果だったみたいだな」



先生の困った顔を見ると切なくなる。


その顔も好きだけど、私がそんな顔させてるんだって思うと胸が苦しくなって、泣きそうになる。



「いい雰囲気のとこ悪いけどさ…相手方もお偉いさんってことでしょ?出るだけ出ないとお祖父さんの立場も危ういんじゃない?」



瀧口ちゃんの言ってることは正しいと思う。

先生はいつも、私のことを考えていてくれるけど、私のせいで先生のお祖父さんが困るのは嫌だ……。


私は先生の左手を両手で握り締めた。