苺恋唄-イチゴコイウタ-

私もフェンスを背にして座った。


足を伸ばして後ろに寄っ掛かって空を見る。


あの日みたいに白い雲が風に流されてるのが見えた。



「私も彼氏欲しいなぁ」



瀧口ちゃんのいきなりの発言に、空を見ていた私は思わず瀧口ちゃんを見た。


瀧口ちゃんも私を見る。



「私ね、ずっと片想いしてるんだ。だから那智が羨ましい」



瀧口ちゃんは笑いながら話してくれた。



でも想いが通じないって寂しいよね…。



「告白は?」



「してないよ。だってその人彼女いるもん。今のままの関係が一番いいと思ってるし、告って振られて関係壊すより、何もしないで近くにいられた方がいいじゃん」



そうなのかな…?


私だったらきっと、近くにいるのでさえ辛いと思う。



「瀧口ちゃんは強いね」



「逆だよ、那智。私は弱いからその方法を選んだんだよ。本当は告白する勇気なんてない。だから本当に強いのは那智の方だよ」



それを聞いて心が切なくなった。


瀧口ちゃんはすごく優しいのに、なんで瀧口ちゃんの想いは叶わないんだろう…。


私だけが幸せでいいのかな…?


大好きな友達の幸せを心から願った。