苺恋唄-イチゴコイウタ-

残っている桜を見てそう思った。



校門のところには今日も神影先生が立っていた。



「おはようございます」



先生の横で小さく言う。


先生はクスクスと笑って



「おはよっ」



って言った。


それだけで嬉しかった。



玄関で靴を履き替えていると、後ろからいきなり誰かに抱きつかれて、その拍子に、下駄箱に頭を打った。



「いったぁ……い…」



「ごめん那智!それよりちょっと来て!」



声の主は瀧口ちゃんだった。



腕を引っ張られて、屋上まで連れていかれた。



屋上には楓と渚、小浪ちゃんもいた。



「先生から何か聞いてる?」



瀧口ちゃんの突然の質問に私は首を傾げた。



「何かって…?」



「先生がお見合いするって話」



楓の言葉に私は言葉を失った。



お見合い…?


先生が……?



「やっぱなんにも聞いてないか…」



「心配させたくなかったんじゃない?」



楓と渚の会話を聞いてもまだ、状況をのみ込めていなかった。



「その話は先生から…?」



「直接聞いた訳じゃないよ。でも…たぶん間違いない」