苺恋唄-イチゴコイウタ-

先生が大学生ってことは、私は小学生?

それとも中学の時かな?



「全然覚えてない……」



「そりゃそうだろ。見た目からして変わったからな、俺。その頃、前髪長過ぎて、他の人からは目元すら見えなかっただろうし」



先生は少し苦笑して話を続けた。



「お前が側に来た時も、最初本当は“鬱陶しい”って思ってた。でも、そんな俺にお前は“頑張って”って、いちご・オレをくれて、なんかわかんないけど、嬉しくなったんだ。周りはみんな俺のことなんかほっといたのに、見ず知らずのお前が励ましてくれて“あぁ、頑張らなきゃ”って、思えた。その時からずっと気になってて、この学校で、偶然お前に会えた」



先生は微笑んで、私の頭を撫でてくれる。



「ありがとな…あの時現れてくれて。ここにいてくれて」



どうして私は忘れてしまったんだろう。


先生が私を好きになってくれたキッカケを。

いつか思い出せるかな…?



でも…今はすごく嬉しいよ…。


気持ちが通じるって、こんなに幸せなことなんだね…。



「なぁ、二人っきりの時だけ、那智って呼んでいいか?」