「ねぇねぇ!どんな人が好き?」
放課後の教室でクラスの子に突然聞かれた。
一緒にいた楓と渚は顔を見合わせている。
「学ランの似合う人!」
私は少しして答えた。
「それって見た目じゃん」
3人に突っ込まれて、返す言葉もない。
確かに見た目だけどさ…。
そんな私には最近…でもないけど、気になる人がいる。
毎朝駅で見かける他校の男子。
学ランの似合う彼の綺麗な黒髪は、長すぎず、短すぎずと丁度良い長さ。
恐い印象を受ける目元も、たまに掛ける眼鏡によって和らぐ。
初めて彼を見たのは、高校に入学して直ぐの頃だった。
朝、いつものように学校に向かう途中、駅で彼を見た。
すれ違った時に、彼から桜の花びらが一枚舞った。
それが忘れられなくて、彼に話しかけようと決めてから1年。
今のところ…進展なし!
笑っちゃうくらい、自分が情けない。
「あ、那智が凹んでる」
楓と渚の台詞が被った。
二人は双子の姉妹で、私の親友。
会話の中でもよくハモる。


